「田舎暮らしやめとけ」は本当?
「田舎暮らしやめとけ」の理由は?
田舎暮らしで失敗しない方法を知りたい!
こういった疑問にお答えします。
実際に東京から北海道に移住して4年目の私が実体験を元に解説していきます。
この記事が、田舎への移住を考えている人の参考になれば嬉しいです。
「田舎暮らしやめとけ」は本当! だけど田舎で楽しく暮らすことはできる
ネットで書かれている「田舎暮らしやめとけ」は本当です。
ですが、田舎で楽しく暮らすことはできます。
私が実際に東京から北海道の田舎に移住して4年、「田舎暮らしやめとけ」のようなネットに書いてある内容を経験しました。
今現在、その不便さや不満を経験しつつも「これからも住み続けたい」「移住して良かった」と心の底から思っているからです。
なぜ「田舎暮らしやめとけ」とネットで言われているのか、その理由を見ていきましょう。
「田舎暮らしやめとけ」と言われている理由まとめ
人間関係が面倒くさい
ネットでよく見かける人間関係での「田舎暮らしやめとけ」は以下の3つです。
- 自治会や町内会への加入が必須の場合がある
- その地域独特のルールや風習があり、従わないと村八分
- 人間関係が密接なので、上手にやれる人ではないと辛い
私が住んでいる田舎は自治体や町内会への加入は必須ではありませんが、暗黙のルールではあります。
もちろん会費はありますし、経理などの役割を振られたり、掃除や草刈りなど地域活動の参加が必要になります。
上手にやらなくとも、自然と人間関係はできていきます。
実際に違う土地に移り住むということは、既に出来上がっているコミュニティに入っていかなければなりません。
それを受け入れる覚悟と、受け入れてもらえるような在り方は最低限必要です。
不便な田舎、コミュニティが少ないからこそ、密に接し、助け合わないと生きていくのは難しいです。
人とあまり関わりたくないのであれば、都会の方が生きやすいのではないでしょうか。
虫が多い
自然豊かな場所に虫はいます。
住む場所が森や山など自然に近いところほど、虫と関わる機会は増えていきます。
私の住んでいる地域は、季節によってアブや蛾、カメムシなどが多く発生して以下のような経験をしました。
- アブが顔に激突してきた
- カメムシが家の中に入り込む
- カメムシが靴の中や服に入り込む
- 町中に蛾の死骸が落ちている
- 蛾が明るい場所を求めて夜中窓に激突して来る
知人は、ご飯を食べているとお茶碗の中にカメムシが落ちて来て食べてしまったことがあると言っていました……。
農業など自然が相手の仕事に就いた場合も、虫は身近に関わることになるので注意が必要です。
農業の音や臭いが不快
私は農業を仕事にしていましたが、農業は音や臭いが発生します。
栽培している作物によりますが、土を耕す、草を刈る、農薬を撒く、収穫をするなど、農業機械の音は遠くにいても聞こえるくらい大きな音です。
畑と距離が近い場合はストレスになるでしょう。
私も移住して最初に住んだ家がすぐ目の前に畑があり、以下のような内容を経験しました。
- 早朝に機械の音で目覚める
- 一日中機械音がしてリラックスできない日がある
- 農薬を撒いていると窓を開けにくい
- 肥料の臭いがきつい
農薬も肥料も臭いが強いものがあります。
その地域で育てられる作物は決まっているので、皆同じ時期に一斉に同じ肥料を撒き、町中がなんか臭いな……ということも。
交通手段が少ない
交通手段が少ないので車は必須です。
電車やバスがありますが、本数が少なかったり、バス停自体が遠かったりします。
車なしで田舎に移住するのであれば、不便さは覚悟した方が良いです。
私は車の運転に慣れておらず、職場と家と近所のスーパーのみを車で行き来する生活を2年間続けていましたが本当にストレスでした……。
バスや電車を駆使すれば何とかなるだろうと思っていましたが、以下のような不便さがありました。
- 田舎は車でないと行けない場所が多いので、行動範囲が限られる
- 冬場に雪が多いので、駅やバス亭に行くのにも一苦労
- バスや電車だと街に出るのに数時間かかる
- 急な遅延や運休が多い
- 終電は早い時間になくなってしまう
運転を少しづつ練習して遠方にも行けるようになって、やっとストレスから解放されました。
店舗の選択肢が少ない
私がストレスだったのが外食の選択肢が少ないことです。
「これ食べたいなあ」と思ったときにすぐ食べれないこと。
他にも、以下のようなことがありました。
- 宅配がない
- ネット上では「営業中」になっているのに閉店している
- 閉店時間よりもなぜか早く店を閉めていたり、臨時休業になっている
- 近隣の店は全て行きつくしてしまう
- 打ち上げに使う店が毎回同じ
「外食したい!」と思っても、どの店も行きつくしたし、行きたいお店は行ってみないと開いているか分からないし、結局「家で作るか……」となります。
東京では食べたいものをすぐ食べれて、友達と「何食べようかな」と選択肢が多くあることが当たり前になっていましたが、それがいかに恵まれていたかを痛感しています。
気候の変化への対応が大変
私の住んでいる田舎は雪がとても多く、冬はマイナス10度近くになるほど寒いです。
そのため、以下のような内容を経験しました。
- 雪かきが大変
- 雪道の運転がこわい
- 暖房代が高い
- 防寒着や寒さ対策グッズが必須
一番最初に住んだ家は一軒家だったので、自分で雪かきをしなければならず苦労しました。これ位の雪であれば大丈夫だろうと放置すると簡単に屋根が傾いたり、潰れたりします。
道路は凍ってツルツルになり、運転が苦手な私は行動範囲がぐっと狭くなります。
私の住んでいる地域はプロパンガスしかないので、冬の暖房代が一人暮らしでひと月3万円を超えたことも。
住む地域の気候を必ずリサーチし、不便なことがあればそれにどうやって対応するかをあらかじめ考えておきましょう。
病院が少ない
病院はとても少ないです。
持病や、今後出産を考えているなど緊急に病院にかかる可能性がある場合は、住む場所や、対応の方法を考えた方が良いでしょう。
病院については、以下のようなことで困りました。
- 歯医者や内科はあっても婦人科や眼科がない
- 病院との相性が良くないと感じても、選択肢が少ないので気軽に病院を変えることができない
- 良い病院には人が集中するので待ち時間がとても長い
- 総合病院など大きな病院まで距離がある
私も病院の対応があまり良くなかったのですが、遠方に通うのが難しく泣く泣く通い続けたことがあります。
また、唯一近くにあった眼科が閉業してしまい、1時間ほどかけて街の眼科に通っています。
病院や医者をしっかり選びたいという方は、時間と交通費がかかる覚悟が必要ですね。
生活費が意外とかかる
「気候の変化への対応が大変」でも書きましたが、私が田舎に住んでから生活費がかかると思ったのが以下の内容です。
- 暖房代
- 車の管理費
- ガソリン代
- 交通費
他にも私は寒い地域なので、防寒着や除雪の道具スノータイヤなども定期的に購入が必要になります。
私の住んでいる田舎の家賃は1LDKで6万~ほど。
田舎だからもう少し安いのかなと期待していたのですが、案外普通でした。
あとは、送料が高いですね。
家族に何か送ろうとしても、プレゼント代と送料がほとんど同じくらいになるのでなんだか損だなあ…なんて思います。
仕事がない
仕事はありますが、少ないです。
実際に私も最初に就いた農業の仕事を辞め、ハローワークに通いましたが、なかなか希望の職種が見つかりませんでした。
農業が盛んな地域に移住したので農林水産関係の仕事は多くありましたが、他の職種に転職したい、と思ってもその地域では難しいです。
仕事自体が少ないので、田舎に移り住んでから仕事を決めようというのは危険です。
また、仕事が決まっても何かの理由で転職する可能性があるということも考えておいた方が良いです。
実際に移住者で、職場を辞めた人がその地域に住み続けることはかなり少ないです。
皆、転職を機にその場所から居なくなりますね。
ネット環境が悪い
室内にはWi-Fiがあるので問題ないですが、友人とテレビ電話をしているとわたしだけ画面が止まったりすることはあります。
外では全く繋がらない場所、繋がりにくい場所が多くあり、電話が通じない、聞こえずらいことは日常です。
パソコンを使った在宅ワークなど、ネット環境が重要な仕事をする場合は仕事に支障がないように準備をする必要があります。
また、出先で電話をよく使う場合も繋がらない可能性があるので注意です。
仕事ができるカフェもほとんどないと思った方が良いです。
その他わたしが感じた「田舎暮らしやめとけ」
美容院が少ない
美容院に通うために街まで一時間半かけています。
美容院の数が少ないので、ヘアスタイルにこだわりがある人は自分に合った美容院を探すのは大変です。
さみしい
田舎に限らず新しい場所に住むということは、慣れ親しんだ友人とも気軽に会うことができないということ。
職場の人間関係は友好でしたが、何か悩みがあったとき気軽に飲みに行こうよ!など誘える友達が近くにいないことはさみしく、ストレスになりました。
ストレス解消できる場がない
東京に住んでいたときは、思い立って映画を見に行ったり、イベントに参加したり、カフェで本を読んだり、食べたいものを食べに行ったり……
興味がある場所や、行きたいところ、リラックスできる場所にすぐ足を運べて、現実から離れることで日ごろのストレスから解放されていました。
田舎はそういった場所がないので、家での楽しみ方や自然と触れ合うなど違ったストレス発散方法を見つけることが必要です。
職場だけの人間関係が辛い
知り合いがいないとまずは職場の人間関係が中心になってきます。
その狭い世界だけで生きていくことになるので、そこが上手くいかないと本当にしんどいです。
自分だけの逃げ場所や、職場以外の人間関係を築いていくことが大切です。
「田舎暮らしやめとけ」は本当だけど、私が楽しく暮らしている理由
ネットで書かれている「田舎暮らしやめとけ」は事実ですが、私は田舎で楽しく暮らしています。
「やめとけ」の理由は解決できるからです。
私が田舎に住み始めたときも、情報はろくに調べずに勢いで移住し、車の運転ができなければ、積極的に人と関係性を作るタイプでもありませんでした。
そのため買い物ひとつでも苦労をしたし、さみしい思いもたくさんしました。
ただ、空気が良い、綺麗な景色、やりたい仕事、ゆっくりと流れる時間…早寝早起きなど理想としている暮らしも手に入りました。
そんな私でも今楽しく暮らすことができているのだから、これを読んでいるあなたも「田舎で楽しく暮らす」は実現できます。
実体験から学んだ田舎暮らしで失敗しない方法10選
私が実際の経験から学んだ、「田舎暮らしで失敗しない方法」を具体的にまとめました。
「田舎暮らしやめとけ」で書いてある情報を未然に防ぎ、理想の楽しい暮らしを手に入れましょう!
田舎に住みたい理由を明確にして、場所を選ぶ
- 35歳までに農業をしたい
- 自然豊かな場所で暮らしたい
- 東京に疲れた
- スローライフを送りたい
- 雪が好きだ
- できれば知り合いがいる地域が良い
以上が私の田舎に住みたいと思った理由です。
「こんなもので良いの?」
と思った人もいると思いますが、皆さん最初のきっかけはこんなものではないでしょうか。
書いてみて、これは今の生活でも実現できるな、もしくは今じゃないかも…など気づくことが多くあるはずです。
書き出して、その理想に近い場所、タイミングを絞っていきましょう。
家族や友人と距離ができることを覚悟する
田舎に移住して家族や友人と距離ができることを覚悟しましょう。
会いたいけど交通費がかかる……
何かあってもすぐに駆け付けられない……
新しい人間関係で刺激も多く楽しいですが、1年、2年と田舎暮らしに慣れてきたときにさみしさを感じます。
電話やLINEで繋がっているから大丈夫、私もそう思っていました。
しかし、直接会うのとはやはり違います。
会いたいと思ったときにすぐ会えないことは心のストレスになります。
何かあってもなくても、気軽に心を許せる友人や家族と会えることは気づかないうちに心の支えになっています。
道外から移住してきた同僚も「さみしい」を理由に退職し、田舎を離れました。
不安であれば、なるべく家族や友人と距離のない田舎を選ぶことをおすすめします。
もしくは、知り合いや友人が住んでいる土地であれば安心ですね。
車の運転をできるようにする
田舎では車を使わないと行動範囲が限られてしまいます。
運転が不安であれば、解決してから田舎に移住することをおすすめします。
「田舎は交通量少ないから大丈夫でしょ。」
私も最初はそう思って、教習所のペーパードライバー講習を一度受けただけで移住しました。
住んでいた家の周辺は車通りも少なく、職場との行き来などは問題なく運転できました。
しかし、田舎で何もないからこそ少し離れた街のスーパーに通わなくてはならず、交通量が多い場所を通らなければならなかったり、高速に乗ったりする必要がありました。
田舎だからこそ行きたい場所に気軽に行くことができません。
4年目の今は運転に慣れ、遠出ができるようになったので生活が豊かになったと感じています。
移住相談窓口を利用する
移住をサポートしてくれる窓口は多くあります。
失敗しないためにも、それを有効活用しない手はないでしょう。
移住地がある程度絞り込まれているのであれば、その自治体に設置されている移住相談窓口に相談するのがおすすめです。
どこに住むか迷っているのであれば、全国各自治体と連携しており、総合的に相談に乗ってくれる支援センターを活用するのも良いでしょう。
移住に向けて何からはじめれば良いか?など気軽に相談できるのも魅力です。
またオンライン相談も行っているので、足を運ぶのが難しい場合にも安心。
相談した際に、移住者の受け入れ態勢が整っていないと感じる地域は住みにくい理由が必ずあるはずです。
不安なことや、聞きにくいこともプロの相談員を頼って解決していきましょう。
仕事は決めてから
必ず仕事が決まってから移住しましょう。
田舎は仕事が少なく、希望の職種に就くことが難しいです。
やりたい仕事をメインに、住む田舎を決めても良いですね。
最初の仕事として選ぶなら決められた期間で地域協力活動を行う「地域おこし協力隊」もおすすめです。
現地の人と関わり合いながら、実際の経験を通してその地域をよく知ることができるからです。
ただし、職場を辞める可能性もあるということは念頭に置いておきましょう。
退職した後もその場所に住み続けることができるか、近い場所で転職が可能な職種か、などを先回りして考えておいた方が安心です。
地域の環境を把握する
自然環境は自分の力では変えることができないので、住んでから後悔しないようにしっかりと下調べが必要です。
私の住んでいる田舎は雪がとても多いです。
住む前にもそれは知っていましたが、雪の不便さは住んでから気付くことが多く、その地域の気温や、天気、災害の可能性など十分に把握してから選ぶことが大切だと痛感しました。
また、農業や林業などの音や臭い、動物の被害の有無、季節ごとの害虫なども事前に調べておきましょう。
必ず現地を訪れて住んでみる
実際に何度か足を運んで肌で体感するのが一番です。
二段階移住を取り組んでいる地域であれば、積極的に活用した方が良いでしょう。
「お試し住宅」という取り組みをしている自治体も多く、1泊から年単位で期間を決め
ることができ、料金も500円~安く泊まることができます。
生活に必要なスーパーや病院、美容院などあらかじめ確認し、不便な点があればそれに対応できるかを考えましょう。
また、人間関係など住んでみないと見えてこない部分も多くあります。
自治体が行っている「移住体験ツアー」では、実際に移住経験のある人に話を聞くことができます。
上手く利用してコミュニティを作っていくと移住後も安心ですね。
合わないと感じたら逃げれる準備を
最初から移住先に家を購入するのは危険です。
移住後に「田舎が合わない!」と感じることは十分にあるからです。
まずはお試しという感覚で住んでみましょう。
何かあったら身軽にその場所を出れるようにした方が良いです。
私は1年、2年住んでみて実は「失敗したなあ」と思うことも多くありました。
しかし3年、4年と長く住み続けていくと新しいコミュニティもでき、住んでいる場所に愛着が沸いてきました。
住んでみないとわからないことは本当に多くあります。
まとめ
「田舎暮らしやめとけ」を解決することで、田舎で楽しく暮らすことはできます。
田舎に住んでみたいという想いを、ネットの情報のみで諦めてしまうのはもったいないです。
この記事が、田舎暮らしへの不安を解消するきっかけになってくれたら幸いです。
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